保育士から異業種転職するには?キャリアを生かして一般企業に勤める方法

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保育士はやりがいのある職種ですが、ハードワークな業務や賃金面の不満から、違う業種への転職を希望する方も少なくありません。

しかし「保育での経験しかないけど、転職できるの?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

保育士として働くなかで身についたスキルには、保育業界だけでなく、さまざま業界で活かせる能力がたくさんあります。
これまでの経験を武器に、自信を持って転職活動に臨みましょう。

今回は、保育士でのキャリアを活かして転職する方法をお伝えします。

目次

保育士が転職先で活かせるスキル、能力とは

保育士として働くには、「子どもが好き」ということ以外にも、さまざまなスキルが求められます。
客観的な視点で、保育士が身に付けやすい能力を振り返ってみましょう。
保育士ならではのスキルや経験が、転職では心強いアピールポイントになります。

コミュニケーション力

保育士は子どもだけではなく、大人とのコミュニケーション力も高い傾向があります。
子どもが大勢いるなかで、とっさの判断や対応を求められるため、大人同士の連携が必要不可欠だからです。

子ども、同僚、保護者、関係機関、それぞれに対し異なるコミュニケーション力が必要とされます。
たとえば、言葉での説明がうまくできない子どもには、表情や態度から気持ちを汲み取り、場合によってはあえて見守る選択をすることもありますよね。
一方、保護者には保育中の様子をイメージできるよう、分かりやすく伝える必要があります。伝え方、選ぶ言葉を相手に合わせなくてはいけません。

臨機応変に対応できる保育士のコミュニケーション力は、異業種でも大切とされるスキルです。

タイムマネジメント力

保育士は、忙しいというイメージが世間に知られている職業です。
実際に日々限られた時間のなかで業務を行っているため「時間内に終わらせる」「効率的に仕事を進める」ことに自然と意識が働いています。

たとえば、お昼寝中に連絡帳を書いたり、パート保育士に昼間お願いする作業を朝のうちから用意しておいたりと、時間と効率をうまく管理できるのは異業種でも役立つ貴重なスキルです。
どんな業界にも強みとしてアピールできるでしょう。

精神的・身体的なタフさ

保育士の業務は、精神的・体力的に鍛えられるものばかりです。
子どもの命を預かる責任を背負い、基本的に明るくやさしい対応が求められます。
イライラや不安な感情などは自分でコントロールしなくてはいけません。

また、保育士として働いていると、自然に体力が備わります。
規則正しい生活に加え、散歩やプール、鬼ごっこなど、ハードな運動もこなす機会も多い職種です。

また、シフト制で長時間働ける身体的なタフさも持っています。
そして、保育施設は病気が流行しやすいため、日頃から体調管理を心がける方も多いのが特徴です。

精神的・身体的に強く、シビアな体調管理が身についているという点は、一般企業でも重宝されるでしょう。
元気はつらつと働くイメージへと繋がり、採用するにあたってプラス評価になります。

チームワーク力

保育の現場はとにかく連携が大事です。
複数の保育士がチームとなって動くため、コミュニケーションに加えて、報告・連絡・相談が必須といえます。

たとえば、子どものトイレに付き添う場合は、保育室から出るときに必ず他の保育士に誰とどこに行くかを伝えるでしょう。
また、子どもが嘔吐するといったとっさのときは、嘔吐した子どもの対応、ほかの子どもへの対応、汚物の処理と、臨機応変にすばやく役割分担を行います。

保育士であれば当たり前のように行っているチームワークは、実は一般企業では高い能力として評価されるポイントです。
トイレの付き添いや嘔吐対応は保育士ならではの仕事ですが、複数人で連携して動くことに慣れているという点は、転職活動で有利に働く可能性があります。

良いところを褒める力

保育士は、子どもの小さな成長を見つけるのが上手です。
失敗したとしても頑張りや過程を褒めたり、見逃してしまいがちな変化に気づいたりと、常にアンテナを張っています。

相手の良いところを見つけて褒めるやり取りは、大人同士のやり取りでも大事なことです。良好な関係を築きやすく、お互いのモチベーションも高まります。
とくに部下をまとめる立場になったときに、保育士で培った褒める力が最大限に活かされるでしょう。

保育士が転職しやすい職業4選

スムーズに転職するのなら、保育士経験を活かしやすい業界がおすすめです。

ここでは、保育士におすすめの職業を4つお伝えします。

サービス職(接客業)

サービス業では、保育士で培った高いコミュニケーション力が強みとなります。

たとえば、飲食業のなかでも家族連れをターゲットにしている店舗では、子どもへの対応力を持つ保育士は心強い存在です。
利用者のなかには「子どもが騒いでお店やお客さんに迷惑をかけたくない」と、外食での不安を感じている方も多くいます。

子どもの対応に慣れたスタッフがいることで、安心して食事を楽しむことができるでしょう。
また、食べやすい食器やカトラリー、待ち時間にあると便利な本やおもちゃなど、子ども連れへのサービスを充実させるときにも保育士の経験が役立ちます。

アパレル業も保育士のコミュニケーション力が活かしやすい職種ですが、とくに子ども服のジャンルは前職の強みが活かしやすいでしょう。

着こなしや流行りだけでなく、運動や生活がしやすい服の視点でも商品をおすすめすることができます。
お客様が迷っているときに的確なアドバイスができると、仕事にもやりがいが感じられるでしょう。

一般事務、営業事務

保育士は、世間のイメージよりもずっと書類作成や事務仕事が多い職種です。
子どもの保育計画や行事の資料作りなどで日常的にパソコンを使用しているため、基本的な操作は問題ありません。

また、限られた時間でテキパキと業務をこなすことにも長けています。
一般企業でも総務や営業事務などの事務職として十分活躍できるでしょう。

もし、事務系の仕事をしっかりと目指し、転職活動を有利にしたいなら、簿記やITパスポートなどの資格取得がおすすめです。

保育士は辞めたいけれど、保育業界は好きという方なら保育事務という選択肢もあります。
職場によって仕事内容はさまざまですが、保育の運営を知っているという点で優遇される可能性があるでしょう。

介護職

保育業界と介護業界は、同じ福祉職として共通点も多い職業です。
接する相手は高齢者ですが、食事介助や衣類の着脱など、子どもへのサポートと通じる部分もたくさんあるでしょう。

福祉施設を利用する高齢者のなかには、認知機能が低下し、意思疎通が難しい方もいます。
言葉でうまく伝えられない相手の気持ちや状況を察し、必要な支援を行うのは保育士の得意分野です。

直接的に関わり、利用者や家族から感謝の気持ちをもらえる介護職には、やりがいを感じられる方も多いのではないでしょうか。

営業職

人と関わる仕事が好きなら、企業の営業職もおすすめです。
上司や部下、子ども、保護者、関係機関など、保育士はさまざまな年齢や立場の方と日々コミュニケーションを取ることに慣れています。
人によって伝え方を変えたり、分かりやすい言葉選びをしながら良い関係を築いていけるでしょう。

一言で営業職と言っても、外回りからコールセンターでの勤務まで、実際の仕事内容はさまざまです。
外回りなら体力仕事の経験があることもアピールポイントになります。

営業職のなかでも自分の得意分野が活かせる企業を選ぶとよいでしょう。

保育士から異業種転職する前に準備したいこと

保育で得たスキルは異業種でも活かせることは間違いありませんが、異業種転職にはそれなりのハードルがあることも事実です。
転職に向けた準備をしておくことに越したことはありません。

転職活動を始める前に、以下でお伝えするポイントを意識してみてください。

理由や分野など転職の軸となるものを決める

まずは、自分が望む働き方や、興味のある分野など転職の軸を決めます。

学生の就職活動とは異なり、社会経験のある方の転職では「どのような理由で転職し、今後どのような仕事をしたいのか」と具体的な考えを尋ねられることが多いでしょう。
転職について自分の考え方をまとめたものが「転職の軸」です。

とくに、異業種転職では必ずと言ってよいほど聞かれるので、あらかじめ整理しておくことをおすすめします。
転職の軸を整理しておくことは、転職活動にとってもプラスです。

保育士資格が必要な仕事は限られていますが、異業種転職となると選択肢は無数にあります。
収入面、労働条件、仕事内容など、さまざまな要因のなかで自分が大事にしたいことをピックアップし、優先順位をつけておくと応募先を決めやすくなるでしょう。転職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

自分の強みを考える

転職活動では、書類審査や面談は必須です。
限られた情報や時間で自分に良い印象を持ってもらうために、自分の長所や強みを考えておきましょう。

自分の良い面がなかなか思いつかない場合は、先ほどご紹介した「保育士で身に付けたスキル」から振り返ってみるのがおすすめです。
自分の経験やエピソードから長所を伝えられるので、具体的なアピールができます。

ただし、あまりに専門的な内容になると応募先の面接官がイメージしにくいため、一般に伝わる内容にするのがポイントです。

保育士としての強みに加えて「自分個人の長所」を考えておくと、どんな人物なのかが採用担当者に伝わりやすくなります。
実際に面接で聞かれたときに備えて、自分で話せるようにしておきましょう。

履歴書や職務経歴書を書く

応募先が決まったら、履歴書や職務経歴書を用意します。
保育士から転職する場合は、異業種の方が見ても分かるような内容にしておくことがコツです。

履歴書や職務経歴書は過去の仕事内容や人柄を知ってもらうのと同時に、「入職後、どんな働きをする人なのか」を採用者が見極める参考資料となります。
保育と転職先の業界をできるだけ関連付けて考え、採用後のイメージがしやすい履歴書や職務経歴書を用意しましょう。

面接で話すことを考える

面接日が決まったら、面接で話すことをイメージしておきましょう。
「保育士を辞める理由」や「この異業種を選んだ理由」など、ありがちな質問に対しては返答までしっかりイメージしておくと安心です。

ただし、前職については、ネガティブな話にならないよう注意してください。
正直に「人間関係がつらかった」「忙しくて体力的に厳しかった」などと答えてしまうと、よくない印象を与えてしまう可能性があります。

「コミュニケーションを大切にしたい」「じっくりと仕事と向き合いたい」などとポジティブな理由を考えておくとよいでしょう。

面接に不安を感じている方は、転職エージェントや家族の前で話してみるのもおすすめです。
人前で話す練習や、客観的な意見をもらえる機会になります。

必要な資格やスキルを取得しておく

転職を有利にするためにも、転職したい企業で必要とされる資格やスキルがあれば、できる範囲で取得しておきましょう。

未経験の人材を採用する際に、資格の有無が結果に影響を及ぼすケースも考えられます。
たとえば、一般事務ならPCスキルに関するもの、病院の事務なら医療事務に関する資格がおすすめです。

資格は転職活動だけでなく、実際に働き始めてからも活かせます。
業界に関する勉強やスキルを身に付けておくと、不安になりやすい転職直後でも心強いでしょう。

【年代別】異業種転職の心構えやアピールポイント

転職活動で大切な心構えやアピールポイントは、どんな業界なのかはもちろん、年代によっても異なります。

これまでの経験を踏まえたアピールで転職活動に臨みましょう。

20〜30代の若手なら、異業種転職も十分検討できる

20〜30代は、保育士に限らず転職者の多い年代です。
自分の働き方やなりたい職業を振り返り、積極的に転職している方もめずらしくありません。

企業側も、体力やスキル的にも将来性のある20〜30代は前向きな採用を考えています。
異業種転職をしたい理由は明確に伝えられるようにしておき、臆することなく転職にチャレンジしましょう。

40〜50代のベテランは、異業種で活躍できる根拠を明確に

40〜50代が異業種転職する場合は、自分がいかに転職先に貢献できるかというアピールが大事です。
保育業界で身に付けたことを、転職先でどう活かせるのか具体的なビジョンを持って伝えてみてください。

40〜50代の年代なら、保育業界で主任、副園長、園長などの管理職を経験している方も多いのではないでしょうか。
部下をまとめ、連携を取っていくスキルは職種関係なく十分なアピールポイントになるでしょう。

異業種転職の強い味方!転職エージェント選びのコツ

保育士からの異業種転職は、「あまり知らない業界で、転職の進め方が不安……」「保育士の転職とどう違うの?」と悩むことも考えられます。
そんな場合は、幅広い業界に精通し、転職に関するノウハウに詳しい転職エージェントの利用がおすすめです。

実際に転職エージェントを利用している方は多く、自己PRや志望動機の添削や面接のシミュレーションなどを通して異業種への採用確率を高められます。
サービスによって特徴やサポート内容がそれぞれ異なるため、自分に合う転職エージェントをじっくり探してみましょう。以下の視点で比較してみるのがおすすめです。

取り扱っている業界の種類で選ぶ

各転職エージェントによって、取り扱っている業界や強いパイプを持つ企業は異なります。
業界を絞り切れていない場合は、取り扱い求人数が多いサービスを選ぶのがおすすめです。
多くの求人を確認することで、賃金の相場や業務形態などが見えてくるでしょう。

もし業界やなりたい職業が決まっていれば、IT系、介護系など、その業界に特化した転職エージェントに登録するのも選択肢のひとつです。
自分が興味のある職種に始めから絞られているので、求人情報を探す手間を少なくできます。
業界ならではの転職ノウハウや、求人情報を確認したい場合に便利です。

自分の年代に合うものを選ぶ

転職エージェントは、強みとなる年代があります。

経験の少ない20代の転職に強いサービスもあれば、ハイクラスな求人や管理職の求人を豊富に取り扱う40代以降に適したサービスもあるため、自分の経験・年代に合わせた転職エージェントを選ぶことが大切です。

転職サポートの内容で選ぶ

異業種への転職は、履歴書の書き方や面接の注意点、業務形態など、自分ひとりでは解決できない壁にぶつかりがちです。
分からないことを相談しながら転職活動に臨みたい方は、転職活動のノウハウや業界情報を教えてもらえるサービスを重視しましょう。

キャリアアドバイザーが在籍している転職エージェントでは、自分に合った業界や求人を紹介してくれます。

転職エージェントを利用して転職した体験談

ここで、実際に転職エージェントを利用した保育士さんの体験談をひとつ紹介します。
最終的には地元の求人情報を活用して転職することとなりましたが、エージェントを介した情報収集を行ったことでしっかりと判断ができたものと思われます。

以前保育士の仕事に就いていたとき、転職エージェントの「リクルートエージェント」に登録しました。
保育の仕事は好きですが、何年か働いてみて、ほかの仕事にも興味が出てきたからです。
その職場を離れたいという思いが強かったので、先に職場に退職の意思を伝え、退職直前から退職後の約3ヶ月ほどを転職活動にあてました。

転職エージェントのサイトで最低限の登録をすると、すぐに求人情報がたくさん出てきました。
思った以上の求人数で、驚いたのを覚えています。
その後は定期的にメールが届き、おすすめの求人情報を確認し、気になった企業に応募できる仕組みでした。

私は情報収集を目的としていたので、転職エージェントからの強引な勧誘があるかもしれないと不安でしたが、けして強制的ではなく、電話がかかってきたこともありません。
私は地方に住んでいたので、求人が多いといっても都心部よりは数が限られ、結果的には転職エージェントでは応募せず、地元の友人から求人情報をもらって再就職となりました。

しかし、転職エージェントに登録したことで、幅広い求人情報が得られ、選ぶ職の幅が広がった点はよかったと感じます。
転職サポートを受けたい方はもちろん、多くの求人情報を閲覧したい方にもおすすめです。

30代女性元保育士による転職活動

もし、いきなり転職の話が来たとしても、情報がなければ判断ができず、良い条件だったにもかかわらず逃してしまうといったこともあるかもしれません。
まずは情報を集めつつ、本当に自分が転職したいと踏み切れる条件や理由を明確にしていくことが大事でしょう。

保育士からの転職に関する「よくある質問」

最後に、保育士の転職に関してよくある質問にお答えします!

保育士は何回転職していると不利になる?

保育業界では、離職者はめずらしいものではありません。数回程度なら、マイナスな印象を持たれることはないでしょう。

実際に、厚生労働省が公表した「賃金構造基本統計調査」によると、保育士の勤続年数は平均7.7年であり、都市部はさらに人の入れ替わりが激しい傾向があります。
とはいえ、あまりに転職回数が多いと、どの業界であっても転職では不利になりやすいです。

なぜ転職をしたのか、理由をしっかり話せるようにしておく対策が必要になるでしょう。

保育系の仕事に転職するなら、何がある?

保育業界で転職する場合に、選択肢の一部をご紹介します。

  • 児童デイサービス
  • 学童保育
  • 託児サービス(病院・美容室など)
  • ベビーシッター
  • 幼児教室のスタッフ

保育業界は全体的に人手不足なので、保育士資格を持ち、現場経験のある方なら企業側も積極的に採用します。
保育士資格を活かしたい方は選択肢に入れて検討してみましょう。

まとめ

異業種転職は、選ぶ職種によってはハードルが高くなります。
保育士から転職する場合は、保育で培った知識やスキルがどう活かされるのか、うまくアピールできるかがカギとなるでしょう。

転職活動を始める前に、保育士の強みや自分の長所を振り返っておき、具体的に話せるようにしてくださいね。
自分ひとりでの転職が不安な場合は、転職エージェントの利用も検討してみましょう。

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この記事を書いた人

おトクらし編集部です!(管理人もやってます!)お得・節約・ポイ活・キャッシュレス・キャンペーン…などの言葉に敏感な運営メンバーが、日々のお得にまつわる情報を配信!

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