FXの税金の計算方法・確定申告のやり方を解説、経費と損失による節税方法も紹介

FXで利益を出した場合、約20%の税金がかかります。利益額によって確定申告[/color]が必要な場合もあります。

確定申告をする際には、副業トレーダーでもFXに関する経費を計上したり、損失を申告することで税金を軽減できたりするメリットがあります。

今回はFXに関する税金や確定申告、賢い節税方法などをFX初心者に分かりやすく解説します。
FXの税金について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

FXの利益にかかる税金とその計算方法

まずはFXの利益にはどの程度税金がかかるのか、その計算方法について説明します。

FXの利益にかかる税金はどれくらい?

FXの利益にかかる税金は、20.315%です。
ここでいう「利益」とは、「為替差益+金利(スワップポイント)」の合計を指します。

【用語解説】
・為替差益:FXでの通貨ペアを売買して得られる利益のこと。
・スワップポイント:為替を所持して得られる金利のこと。

FXの利益は「雑所得」として分類され、どれだけ利益を出しても税率は変わりません。
20.315%の正確な内訳は、以下の通りです。

【FXの税金20.315%の内訳】
・所得税15%
・住民税5%
・復興特別所得税0.315%(※)

※2037年までは所得税額に対し、2.1%の「復興特別所得税」が課せられます。

本来なら税率は20%ですが、現在は復興特別所得税が加算されているためこの税率になっています。

FXにかかる税金の計算方法

この20.315%の税金は、FXの利益から必要経費を差し引いた額に対してかかります。
計算式は、以下の通りです。

【FXの税金額の計算式】
FXの税金額=FXによる所得(利益ー必要経費)×20.315%

計算式はとてもシンプルなので、利益と必要経費さえ分かっていればすぐに計算可能です。
ぜひ年末や普段気になった際に、税金額がどのくらいになるかシミュレーションしてみましょう。

FXの必要経費として計上でるとされているのは、次のような支出です。

【FXで経費計上できるもの(例)】
・通信費(スマホ代、光回線代など)
・FXトレードの勉強用書籍
・有料セミナーや勉強会などの受講費
・運用資金に関する振込手数料 など

FX取引に直接関わるものであれば基本的に経費計上できる可能性があるので、ぜひ覚えておきましょう。
ただし、経費として計上するために必ず領収書を残しておきましょう。

【シミュレーション】FX初心者、一年目の税金額を計算!

先述の通りFXの税金を計算する際は、利益から必要経費を差し引いて税金を算出します。

つまり必要経費をしっかり計上することで、上手に節税することができます。

例えば以下のケースで具体的に税金がいくらになるか、シミュレーションしてみましょう。

【FX税金額のシミュレーション】
<シミュレーションの条件>
・FXの利益:100万円
・必要経費(書籍、通信費、各種手数料等):10万円

<計算式>
FXによる所得(100万円 - 10万円) × 20.315% = 18万2,835円

90万円の所得に対し、18万2,835円の税金がかかる計算です。
ちなみに、税金の内訳は次のようになります。

・所得税15%:135,000円
・住民税5%:45,000円
・復興特別所得税0.315%:2,835円

必要経費が多ければその分税金は抑えられます。
ただし、FXとは全く関係のない費用を経費として計上したり、利益に対して経費が大きすぎると税務署から疑われたりすることもあるので、当たり前ですが正しく申告するようにしましょう。

FXに関する確定申告が必要な人、不要な人は?

ここからは具体的にFXで出た利益に対して確定申告が必要な人、不要な人を分類していきましょう。

FXに関する確定申告が必要な人

FXに関する確定申告は、主に下記の2パターンの場合に必要です。

【FXの取引結果に応じて確定申告が必要な人】
・会社員などの給与所得者で、FXによる所得が20万円を超える人
・専業主婦(夫)や学生などで、FXによる所得が48万円を超える人

まとめると副業で20万円を超える場合、もしくは給与所得がない人でFXの所得が48万円を超える場合に確定申告が必要です。

自分が給与所得者かどうかで確定申告が必要となる所得のラインが変わるため、ご注意ください。

また給与を二カ所以上からもらっている人など、FXの利益があるかどうかに関わらず確定申告が必要な方もいます。
サラリーマンがダブルワークというのも珍しくない時代です。
これからダブルワークを考えている人も、FXの利益とは関係なく確定申告必須ですので、覚えておきましょう。

【そもそも確定申告が必要な人】
・そもそもの給与収入が2,000万円を超えている人
・給与を2か所以上の勤務先からもらっている人
・何らかの控除を受けたい人

FXに関する確定申告が不要、税金がかからない人

FXに関する確定申告が不要で、税金がかからないのは以下のパターンです。

先ほどの「確定申告がかかる人」と逆になりますね。

【確定申告が不要な人】
・FXによる所得が20万円以下の給与所得者
・FXによる所得が48万円以下の専業主婦(夫)や学生

ここでいう「所得」とは、FXの利益から必要経費を差し引いた額のことです。

利益が50万円を超えていても、必要経費が40万円かかってしまった場合など、条件に該当しない場合は確定申告が不要です。もちろん税金もかかりません。

大きな利益を上げているのに確定申告をしないと、税務調査の対象になってしまうこともあります。
必要経費の領収書を保管し、帳簿をしっかりつけておくことをおすすめします。

会社員FXトレーダーの確定申告手順を解説

会社員をしながらFXのトレードを行う「副業トレーダー」は近年増加しています。
急に大きな利益が出た際に慌てないよう、確定申告について学んでおくと安心です。

ここでは、会社員のFXトレーダーが確定申告する際に必要な書類や手順を解説していきます。

FXの確定申告に必要な書類

FXの確定申告に必要な書類は、以下の通りです。
FXの所得にかかる税金は、給与所得などとは別で税額が計算される「分離課税」に分類されます。

【確定申告に必要な書類】
【申告書類】
・確定申告書B
・申告書第三表
・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
・所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)※損失を繰越す場合

【申告時の添付書類】
・年間取引報告書(年間損益報告書)
・給与所得の源泉徴収票

サラリーマンがFXの利益を確定申告する際は、「確定申告書B(第一表、第二表)」のほか、先物取引の収入等を記入する「申告書第三票」が必要です。

またFXなどの取引は、所得金額の明細を提出する必要があります。
そのため「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に詳細を記入し、申告しましょう。

FXで損失を出した際に3年間繰越控除を受けたい場合には「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」の提出が必須です。

提出がない場合は損失を繰り越すことができません。大きく損をしたときには確実に提出しておきたい書類です。

またFXの年間取引報告書(年間損益報告書)や、給与所得の源泉徴収票も必要になります。
年間取引報告書は自分で作る必要はなく、取引を行っているFX会社のウェブサイトからダウンロードが可能です。
給与所得の源泉徴収票は、勤務先から年明けに受け取ったものを添付してください。

ここまで読んで「難しい」と思ってしまうかもしれませんが、確定申告書類の書き方は、後で紹介する「FXの確定申告の手順」で分かりやすく解説しています。

まずは読み進めてみてくださいね。

保管しておくといいのが、次の書類です。

【所得・経費計算に必要な書類(要保管)】
・領収書(又は明細書)

意外と忘れがちなのが、経費の計算に必要な領収書や明細書です。

経費は大雑把に計算するのではなく、証拠となる領収書や明細書を用意し、1円単位で算出します。

経費を正確に計算できないと所得の正確な金額が出せませんので、セミナーや書籍、通信費などFXの経費に関する領収書類はとっておき、申告後も保管しておきましょう。

領収書を月ごとに分け、ノートなどに日付順で貼っておくと、後から見直しやすいです。

FXの確定申告の手順【画像あり】

FXの確定申告のスムーズな手順は以下の通り。順に解説していきます。

FXの確定申告の手順
1.「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」の基本情報を記入
2.総収入金額の記入
3.経費およびFXの所得金額を算出、記入
4.申告書第三表の収入欄「先物取引」に収入金額を記入
5. 所得金額を記入
6.給与所得、FXでの所得それぞれの所得税を計算し、記入
7.申告書B(第一表)を記入

1.「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」の基本情報を記入

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まずは「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を用意します。
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用紙の上から

・氏名および申告する年
・申告の種類(FXの場合は雑所得)
・取引種類(外国為替取引)
・決済の方法(仕切)

を記入します。

2.総収入金額の記入

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次に「差金等決済に係る利益又は損失の額」の欄に、FX会社のページからダウンロードした「年間取引報告書」に記載されている「損益合計金額」を記入します。
他に収入がない場合はそのまま(4)の欄に同じ金額を書きます。

3.FXの所得金額を算出、記入

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最後に必要経費がある場合はその内訳(内容・金額)を記入し、所得金額下の計算式に従って所得金額を算出・記入します。

所得は、収入から記載した手数料や経費などかかったお金をすべて引いた金額になります。

4.申告書第三表の収入欄「先物取引」に収入金額を記入

次に、申告書第三表の記入に移ります。
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収入金額の「先物取引」欄に、先ほど記入した「先物取引に係る雑所得等の計算明細書」「総収入金額(4)」を記入します。

5.所得金額を記入

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続いて「所得金額」の欄には、先ほど計算した「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」「所得金額(12)」を記入します。

6.給与所得、FXでの所得それぞれの所得税を計算し、記入

最後に、所得税を計算していきましょう。
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まずは総合課税の「合計額(12)」に、源泉徴収票に記載の「所得金額」を記入、「所得から差し引かれる金額(29)」に社会保険料控除などの控除金額の合計を、源泉徴収票を参考にして記入します。
次に、(12)から(29)を引いた金額を(75)に入れていきます。

さらに、(80)にある「(72)対応分」には、先ほど記入した先物取引の所得金額(72)をそのまま書けばOKです。

税金の計算欄に移ります。

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上記の(83)には、(75)の所得金額に対する所得税率を国税庁のウェブサイトなどから確認し、給与所得に対する所得税額を算出・記入します。

例えば控除後の所得金額が100万円の場合、税率は5%となり税額は5万円となります。

(88)には、(80)で記入した金額に、所得税率15%で計算した金額を記入します。
そのため上の例と同じくFXでの所得が100万円だった場合の所得税は15万円になります。

最後に、算出した(83)(88)の合計金額を(91)に記入して第三表の記入は終了です。
例のケースをそのまま計算した場合は、合計5万円+15万円=20万円となります。

7.申告書B(第一表)を記入

ここまで記入が済んだら、あとは「申告書B」を記入していきます。まずは第一表から。
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名前や住所、振込先などの基本情報を記入後、左半分の内容に関しては「源泉徴収票」の内容を確認しながら「収入金額等」の給与額、「所得金額(給与)」「所得から差し引かれる金額」を順に記入していきます。

次に、右側の(31)にさきほど第三表で計算した、給与所得とFXでの所得の所得税合計金額を記入します。

最後に(44)の復興特別所得税額を計算し、記入します。

ここでの計算式は「所得税 × 2.1%」となっており、先ほど説明したFXの復興特別所得税率(0.315%)とは一見異なるように見えますね。

この計算式は、FXの所得に関しては「FXの所得金額に15%をかけた金額」の、さらに2.1%分という意味なので、元の所得額からすると0.315%になります。覚えておくと申告時に悩まずに済みますよ!

8.申告書B(第二表)を記入

「申告書B(第二表)」の内容に関しては、特にFXならではの記入項目はありません。

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・住所、氏名
・所得の内訳(給与のみ記載)
・各種控除

などの項目を源泉徴収票の内容を参考に記入し、最後に所得税を天引きされたくない方(所得税額で副業をばれたくない方など)は「自分で納付」を選んで完了です。

FXで損したら?「損益通算」のメリット

FXで損をしてしまった場合には「損益通算」を行うと大きなメリットがあります。
損益通算とは、FXによる損失が出たときに確定申告をして次年度以降に損失を繰越すことです。
「損失を繰越す」というと企業の決算のイメージがあるかもしれませんが、実は個人のFXトレーダーでも、しっかりこの仕組みが使えます。

FXでの「損益通算」は同じ所得区分で行う

FXでの損益通算は、同じ所得区分(先物取引に係る雑所得等)でしか損益通算はできません。
同じ所得区分の取引としては、国内FXの場合、

・商品先物取引
・日経225先物取引(オプション取引含む)

などごく限られた範囲です。
この範囲で複数社の取引で生じた損益を計算し、最終的な損失を計上できます。

損益通算は「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」で行う

損益通算のやり方は簡単です。
先ほど確定申告の手順で解説した書類「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に、複数社での取引内容を記入するだけです。

例えば、A社の取引で最終的な所得が-50万円、B社の取引で+30万円とすると、最終的な合計は-20万円です。

所得としては「0円」として申告しますが、一緒に「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」を記入して申告すれば、この-20万円を最大3年間まで繰越して利益から差し引くことができます。

ただし損失を繰越す場合は、損失が出た年以降の最長3年間、毎年確定申告が必要です。
さらに「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」も一緒に提出しなければいけません。

多少手間はかかりますが、大きな損失を出したときなどは非常にありがたい仕組みです。

これから使いたい!初心者向けのFX業者

FXに関する確定申告のやり方や税金についてしっかり理解できたら、あとはFX取引を行って利益を積み上げるだけです。
まだ取引したことがない方は、ぜひ初心者向けのFX業者に登録してみましょう。

初心者トレーダーには、以下3つの条件をクリアしているFX業者がおすすめです。

【初心者におすすめのFX業者】
・少ない金額から取引できる(1〜1,000通貨単位で取引できるとよい)
・ユーザーサポートが充実している
・スプレッド(手数料)が狭い

これらの条件を満たしているFX業者から、ぜひ自分に合った会社を見つけて口座開設してみてください。
初心者向けのおすすめFX業者については、以下の記事で解説しています。

FXの口座開設にかかる時間は?郵送なしでも即日取引可能なFX会社の必要書類や審査の流れを徹底検証

まとめ

FXで利益を出した場合は、20.315%の税金がかかります。サラリーマンであっても、所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。FXを始めてまとまった利益を狙うなら、税金や確定申告についてもしっかり学んでおくと安心です。

FX取引のために購入した書籍や有料セミナーなどは「経費」として計上できるほか、大きな損失を出したときは、損益通算して翌年以降に損失を繰越すこともできます。

上手に税金や確定申告の仕組みを使って、節税しながらFXトレードを楽しんでください。

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