近年、企業の業務効率化において生成AI(人工知能)の活用が急速に進んでいます。しかし、多くの企業が「セキュリティが心配」「どのように導入すればよいか分からない」といった課題を抱えているのも事実です。そんな中、日本企業のニーズに特化した生成AIプラットフォーム「exaBase(エクサベース)」が注目を集めています。
本記事では、exaBaseとは何か、どのような機能があるのか、実際の使い方から料金体系まで、初心者にも分かりやすく解説します。
exaBaseとは?企業向けAIプラットフォームの全貌
「exaBase(エクサベース)」は、株式会社エクサウィザーズが開発・提供する企業向けAIプラットフォームです。一般的なAIツールとは異なり、企業が抱える様々な課題に対応できるよう、複数のAIサービスを組み合わせたプラットフォーム型のサービスとして設計されています。
exaBaseの基本コンセプト
exaBaseは「Products」「AI Assets」「Consulting Services」の3つの要素で構成されています。単純にAIツールを提供するだけでなく、企業の経営課題解決に向けた包括的なソリューションを提供することを目指しています。
特に注目すべきは、法人向け生成AIサービスとして多くの企業に導入されている実績があることです。金融機関、製造業、自治体など、幅広い業界での活用事例が報告されており、日本企業特有のニーズに対応したサービス設計が評価されています。
exaBaseの主要サービス一覧
exaBaseプラットフォームには、以下のような多様なAIサービスが含まれています:
サービス名 | 主な機能 | 対象業務 |
---|---|---|
exaBase 生成AI | ChatGPTを基盤とした企業向け生成AIサービス | 文書作成、翻訳、プログラミング支援 |
exaBase FAQ | 自然言語処理を活用したFAQシステム | 社内問い合わせ対応の自動化 |
exaBase DX アセスメント&ラーニング | DX人材育成支援サービス | 従業員のデジタルスキル測定・教育 |
exaBase ロープレ | AIを活用したロールプレイング学習システム | 営業研修、接客訓練 |
exaBase 予測・分析 | データ分析と予測機能を提供 | 経営判断支援、需要予測 |
企業が選ぶ「exaBase 生成AI」の特徴
exaBaseの中でも特に注目を集めているのが「exaBase 生成AI」です。このサービスが多くの企業に選ばれる理由を詳しく見てみましょう。

1. 企業レベルの高いセキュリティ
多くの企業がChatGPTなどの生成AIサービスの導入を躊躇する最大の理由が「セキュリティの不安」です。exaBase 生成AIは、この課題を根本的に解決しています。
主なセキュリティ機能
- チャット内容が学習データとして利用されることを完全にブロック
- 利用履歴は契約企業のみが確認できる形で蓄積
- 国内リージョン限定でのデータ処理が可能
- ISO27001、ISO27017、ISO27701などの国際セキュリティ認証を取得
このような徹底したセキュリティ対策により、機密情報を扱う大企業でも安心して利用できる環境を提供しています。
2. 高精度なRAG(Retrieval-Augmented Generation)機能
RAGとは、企業独自のデータを生成AIに読み込ませて、より正確で実用的な回答を生成する技術です。exaBase 生成AIは、豊富なAIコンサルティング経験を活かし、実用的なRAG機能を提供しています。
RAG機能の活用例
- 社内規定やマニュアルに基づいた問い合わせ対応
- 自社商材の特徴を踏まえた最適な提案書作成
- 過去の案件データを参照した類似事例の検索
3. 簡単に使えるプロンプトテンプレート
生成AIを効果的に活用するには、適切な「プロンプト(指示文)」を作成する必要があります。しかし、効果的なプロンプトの作成には専門的な知識と経験が必要で、多くの企業にとって大きなハードルとなっています。
exaBase 生成AIでは、あらかじめ用意された豊富なプロンプトテンプレートを活用することで、誰でも簡単に高品質な回答を得ることができます。また、企業独自のテンプレートも追加できるため、社内で生まれた優れた活用方法を全社に展開することも可能です。
4. 利用効果の見える化機能
企業がAIツールを導入する際、「本当に効果があるのか」「投資対効果はどの程度か」といった疑問を持つのは自然なことです。exaBase 生成AIは、こうした企業の懸念に応える機能を標準で提供しています。
見える化機能の内容
- 利用者ごとの業務生産性向上効果の自動算出
- 原稿作成、要約、社内データ検索など業務別の効果測定
- ランキング上位ユーザーの活用ノウハウの共有機能
これにより、経営層は具体的な数値でAI導入の効果を把握でき、現場の担当者は改善すべきポイントを明確にすることができます。
exaBase生成AIの料金体系
企業がサービスを導入する際に最も気になるのが料金です。exaBase 生成AIは、透明性の高い料金体系を採用しています。
基本料金体系
基本料金: 1ユーザーあたり月額900円(税別)
従量料金: 入力・回答1,000文字あたり27円(GPT-4使用時)
特別プランも用意
- 中小企業向け:30人未満の場合は1契約あたり月額27,000円
- 自治体向け:月額固定制の特別料金体系
- 教育機関向け:アカデミック価格での提供
注目すべき無料サービス
2023年12月からは、GPT-3.5 Turboモデルの従量料金を完全無料化しました。これにより、基本的な文書作成や翻訳作業であれば、基本料金のみで無制限に利用できるようになっています。
また、2024年12月からは、GPT-4o miniにおいてRAG機能を基本料金内で利用できるサービスも開始されており、より多くの企業が高度なAI機能を手軽に利用できる環境が整っています。
exaBaseの具体的な使い方
実際にexaBaseをどのように使うのか、具体的な手順をご説明します。
1. アカウント設定と初期設定
exaBase 生成AIの導入は非常にシンプルです:
- 契約・アカウント作成:企業単位での契約となり、管理者が各ユーザーのアカウントを作成
- セキュリティ設定:企業のセキュリティポリシーに合わせて、利用制限や禁止ワードを設定
- RAGデータの準備:必要に応じて、社内文書やマニュアルをシステムに登録
2. 日常業務での活用
プロンプト例:「新商品のプレスリリース案を作成してください。
商品名:○○○
特徴:△△△
ターゲット:□□□」
プロンプト例:「以下の日本語文書を、ビジネス文書として適切な英語に翻訳してください」
プロンプト例:「添付のExcelデータから、売上傾向の分析結果をまとめて報告書形式で出力してください」
3. RAG機能の活用
社内文書を活用した問い合わせ対応:
このような質問に対して、事前に登録した社内規定から適切な情報を抽出し、正確な回答を提供します。
実際の活用事例
exaBaseは既に多くの企業や自治体で活用されており、具体的な成果も報告されています。

事例1:兵庫県(自治体)
導入背景: 県民向けメール作成やイベントキャッチコピーなど、行政特有の業務負担が課題
活用方法
- メール文面の自動校正
- 行政文書の要約作成
- イベントキャッチコピーのアイデア出し
成果: 職員が単純作業から解放され、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになった。また、作業ミスの削減により業務品質も向上。
事例2:住友ファーマ株式会社(製薬業)
導入背景: MR(医療情報担当者)からの日常業務に関する問い合わせが月100件以上発生
活用方法
- exaBase FAQによる自動問い合わせ対応システム構築
- 自然言語検索による専門用語や社内用語での情報検索
成果: 日常業務に関する問い合わせを約90%削減。MRがいつでも・どこからでも必要な情報に即座にアクセスできる環境を実現。
事例3:イオン株式会社(小売業)
導入背景: 中期経営計画における「デジタルシフトの加速」に向けたDX人材の育成・発掘が急務
活用方法
- exaBase DX アセスメント&ラーニングによる大規模スキル診断
- 約7,000名の社員がDXアセスメントを受検
成果: DXの知識だけでなく、デジタルに対するマインドやスタンスまで可視化。適性はあるがスキル不足の人材を発見し、効果的な教育プログラムを提供。
事例4:東邦銀行
2024年12月には、東邦銀行がexaBase 生成AIを本部職員300名以上に導入したことが発表されました。文書作成、翻訳、プログラミング支援などで業務効率化を実現しているとのことです。
SNSでの評判と実際の声
Twitter上でもexaBaseに関する投稿が活発に行われており、実際の利用者からの声を確認することができます。
エクサウィザーズ公式アカウント (@ExaWizards) の投稿より
「【プレスリリース】法人向け生成AIサービス「exaBase 生成AI」で、画像生成モデル「GPT image」の提供を開始。テキストによる簡単な指示で…」
「【プレスリリース】東邦銀行が法人向け生成AIサービス「exaBase 生成AI」を本部職員300名以上に導入。文書作成や翻訳、プログラミング支援などで業務…」
これらの投稿からも、exaBaseが継続的に機能改善を行い、実際の企業での導入が進んでいることが分かります。
exaBaseの競合優位性

一般的なAIツールとの違い
多くのAIツールが海外製で日本企業のニーズに完全に対応していない中、exaBaseは以下の点で優位性を持っています:
1. 日本企業特有のニーズへの対応
- 日本語での高精度な処理能力
- 日本の法規制やビジネス習慣を考慮したセキュリティ設計
- 日本語でのサポート体制
2. 包括的なプラットフォーム設計
- 単一の機能ではなく、企業の様々な課題に対応できる多機能性
- 機能ごとに選択できる柔軟な契約体系
- 実際のコンサルティング経験に基づく実用的な機能設計
3. 実績に基づく信頼性
- 多くの企業での導入実績
- 大手企業や自治体での活用事例
- 継続的な機能改善とアップデート
exaBase導入時の注意点と対策
企業がexaBaseを導入する際に考慮すべき点についても触れておきます。
1. 導入準備
必要な準備
- 社内のAI利用ガイドライン策定
- RAGで活用する文書の整理・デジタル化
- 従業員への研修計画立案
2. セキュリティポリシーの確認
企業によってセキュリティ要件は異なるため、以下の点を事前に確認する必要があります:
- データの保存場所(国内/海外)の要件
- ログの保存期間と管理方法
- アクセス権限の設定方法
3. 効果測定の仕組み作り
AI導入の効果を最大化するためには:
- KPI(重要業績評価指標)の設定
- 定期的な利用状況のモニタリング
- 改善点の継続的な見直し
まとめ
exaBaseは、日本企業が抱える生成AI導入の課題を包括的に解決する企業向けAIプラットフォームです。単なるAIツールの提供にとどまらず、企業の業務効率化と競争力向上を実現する総合的なソリューションとして設計されています。
exaBaseの主な魅力
- 企業レベルの高いセキュリティ
- 日本企業のニーズに特化した機能
- 透明性の高い料金体系
- 豊富な導入実績と継続的な改善
こんな企業におすすめ
- AI導入を検討しているが、セキュリティが心配な企業
- 日本語での高品質なAI活用を求める企業
- 段階的にAI活用を拡大していきたい企業
- 具体的な効果測定を重視する企業
現在、多くの企業がデジタル変革(DX)の必要性を感じながらも、具体的な第一歩を踏み出せずにいます。exaBaseは、そうした企業が安心してAI活用を始められる環境を提供し、継続的な成長をサポートしています。
生成AIの活用は、もはや「導入するかどうか」ではなく「いつ、どのように導入するか」の問題となっています。exaBaseを通じて、日本企業の新たな可能性を探ってみてはいかがでしょうか。